第50回(2019年)
JXTG童話賞
【一般の部 最優秀賞】

雨がすき作者:宮田一平 / 絵:かべやふよう

それから一年ぐらいたったある日のこと。

花はとつぜんの雨にふられてケーキ屋の店先に逃げ込んだ。花がケーキ屋の屋根の上を流れる黒い雲を見上げていると、

「花、どうした。」

花の目の前に、青い傘をさした達夫が立っていた。

「たっくんじゃない。たっくんこそどうしたのよ。」

「おれはコンビニへ買い物。花は?」

「私は雨宿り。これから家へ帰るところ。」

達夫は自分の傘を花に差しだして言った。

「花、これ使え。」

「だってたっくんの傘じゃない。たっくんはどうするのよ。」

「おれは走るからいい。」

達夫が雨の中へ走り出そうとするのをとめて、花は達夫に自分を家まで送ってほしいとたのんだ。

達夫はちょっと考えていたが、小さくうなずいた。

達夫が傘を開くと、ふたりの頭の上に青いビニールの小さな屋根ができた。

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