童話っていいね!~おすすめ童話のご紹介~

ふしぎなかぎばあさん

ふしぎなかぎばあさん

手島悠介:文
岡本颯子:絵
出版社:岩崎書店  ISBN:978-4-265-91606-1
1976年12月発行 1300円+税

文の手島悠介さんは、1935年生まれ。雑誌記者を経て児童文学の世界に。主な作品に「かぎばあさんシリーズ」(岩崎書店・日本児童文芸家協会賞)、『日本のみなさん やさしさをありがとう』(講談社・産経児童出版文化賞)、『裁判とふしぎなねこ』(学研・産経児童出版文化賞)などがあります。

絵の岡本颯子さんは、1945年生まれ。武蔵野美術大学芸能デザイン科を卒業。絵本・児童図書のさし絵を中心に、舞台衣装のデザインなどの仕事にたずさわっています。さし絵に『小さな島のシャバ子』(日本放送出版協会)、絵本に『おばけたんぽぽ』(ポプラ社)などがあります。

ココがいいね!

大寒を迎え、暦の上では1年でもっとも寒さが厳しい時期ですね。今回は、そんな寒い冬の日に少年が出会った、不思議なおばあさんのお話をご紹介します。

鍵っ子の“広一”は、算数のテストで35点をとってしまったので、どんよりとした灰色の空のような暗い気持ちで学校から家に帰りました。ドアの前に着いた時、ズボンにひもで結び付けておいたはずの鍵がなくなっていることに気付きます。あわてて帰り道や学校の中を探しますが、どこにも落ちていません。泣き出しそうになった“広一”に追い打ちをかけるように、冷たい雪が降り始めてきました。そんなとき、どこからか現れたおばあさんが“広一”に声をかけてきたのでした。おばあさんは、なぜかたくさんの鍵を持っていて、“広一”の家の鍵を開けてくれただけでなく、家にあがって美味しいご飯を作ってくれたり、紙芝居で面白いお話を聞かせてくれたりしました。さて、このおばあさん、正体はいったい何者なのでしょうか。

43年前に発行されたお話ですので、子どものころに読んだことのある方もいらっしゃるかもしれません。最近は共働きの家庭も増えて、鍵っ子という呼び方も一般的ではないかもしれませんね。大切な家の鍵をなくした“広一”の焦る気持ちを思うと切なくなり、なんとか助けてあげたいと思うことでしょう。誰にでも不運が続くことってありますよね。そんな時、誰かがそばにいてくれたら・・・と思うのは、大人も子どもも一緒ではないでしょうか。

主人公の男の子と不思議なおばあさんとの交流に、温かい気持ちになれる読み応えのある1冊です。みんなも不安なことがあったとき、頼りになる誰かに出会って、助けてもらえたら「いいね!」