童話っていいね!~おすすめ童話のご紹介~

ちょっとだけ

水曜日の本屋さん

シルヴィ・ネーマン:文
オリヴィエ・タレック:絵
平岡敦:訳
出版社:光村教育図書 ISBN:978-4-89572-697-9
2009年10月発行 1500円+税

文のシルヴィ・ネーマンさんは、1963年、スイス生まれ。娘を2人出産した後に発表した初めての小説”Rien n’est arrive”(未訳)は、フランスの小説家マルグリット・デュラスを思わせる作風で注目を集めました。本書は、子どものためにかいた初めての作品です。

絵のオリヴィエ・タレックさんは、1970年、フランス生まれ。ストラスブール造形芸術大学、デュペレ応用芸術学校を卒業。広告代理店にデザイナーとして勤務した後、フリーのイラストレーターとして活躍しています。日本で紹介された絵本に『ながーい5ふん みじかい5ふん』(光村教育図書)などがあります。

訳者の平岡敦さんは、1955年、千葉県生まれ。早稲田大学卒業、中央大学大学院修了。大学でフランス語を教えるかたわら、翻訳家として活躍しています。ミステリ作品の訳書が多数あり、一方で、『この世でいちばんすばらしい馬』(徳間書店)など、児童書の良書の翻訳にもつとめています。

ココがいいね!

もうすぐ子どもたちが楽しみにしているクリスマスですね。今回は、水曜日にはいつも本屋さんで過ごす女の子と、そこで出会ったおじいさんのお話をご紹介します。

“わたし” の学校は水曜日がお休みなので、いつも本屋さんに行くことにしています。すると、きまって“おじいさん”もやって来るのでした。“わたし”が読むのは、楽しい絵本、でも、“おじいさん”は、どうやら分厚い戦争の本を読んでいるようです。 “おじいさん”は、どうしてそんな本を読んでいるの? そんなに好きならどうして買わないの? と、“わたし”の心は疑問でいっぱいです。自分が読んでいる本がいつまでも売れないように祈っている“おじいさん”。さて、それはいったいなぜなのでしょう。

本屋さんで会うだけの“おじいさん”のことが気になって仕方のない“わたし”。2人の細やかな心の交流は控えめに感じられるかもしれませんが、最後に店員さんが登場するころには、きっと、じんわりと心の中が温かくなりますよ。
 
添えられたイラストの深い色あいや文章から、お店の中で静かに流れていく時間や、“おじいさん”や“わたし”の気持ちがとてもよく伝わってきます。

みんなもこんな本屋さんで、素敵な本や素敵な人に出会えると「いいね!」