童話っていいね!~おすすめ童話のご紹介~

きつねのかみさま

きつねのかみさま

あまん きみこ:作
酒井駒子:絵
出版社:ポプラ社 ISBN:978-4-591-07953-9
2003年12月発行 1,100円+税

作者のあまん きみこさんは、1931年満州生まれ。『車のいろは空のいろ』(ポプラ社)で日本児童文学者協会新人賞と野間児童文芸推奨作品賞を、『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房)で小学館文学賞を受賞するなど、多数の受賞作品があります。第51回 東燃ゼネラル児童文化賞(現JXTG児童文化賞)受賞者です。

絵の酒井駒子さんは、1966年兵庫県生まれ。東京芸術大学美術学部を卒業。『ゆきがやんだら』(学研)で銀の石筆賞を受賞。その他、自作の絵本に『リコちゃんのおうち』、『よるくま』(偕成社)などがあります。

ココがいいね!

秋になって、だんだん日が短くなってきましたね。夕焼け空を見ながら家路を急ぐ子どもたちも多いのではないでしょうか。今回は、そんな夕暮れ時に、不思議で素敵な体験をした仲良し姉弟のお話をご紹介します。

おやつを食べ終わった“りえちゃん”は、公園になわとびを忘れてきたことを思い出しました。そこで、弟の“けんちゃん”と一緒に探しに出かけます。木の枝にかけたつもりでしたが、探しても見つかりません。そんなとき、遠くから子どもたちの楽しそうな笑い声が聞こえてきたのです。声の方に近づいてみると、なんと、きつねたちがなわとびをして遊んでいるではありませんか。木の陰からそっと見ていたのですが、“けんちゃん”の笑い声に気づいたきつねたちに見つかってしまいました。さて、きつねたちは心配でドキドキしている2人になんと声をかけたのでしょう…。

ひとりでなわとびを探しに出かけようとした“りえちゃん”の後を慌てて追う“けんちゃん”。仲の良い姉弟の姿や“りえちゃん”のしっかりしたお姉ちゃんらしい表情が、優しいタッチのイラストで描かれていて、ほっこりと癒されます。本の題名がなぜ「きつねのかみさま」なのか、わかったときにはきっと、温かい気持ちになりますよ。

相手が喜ぶ姿に自分もうれしくなる。子どもたちだけでなく大人の方も、読んでいて優しさを感じられる1冊です。みんなも相手の気持ちを考えて、一緒に嬉しい気持ちを分かち合えたら「いいね!」