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じっちょりんのあるくみち

じっちょりんのあるくみち

かとう あじゅ:作・絵
出版社:文溪堂 ISBN:9784894237285
2011年5月発行 1,300円+税

作者のかとう あじゅさんは、東京都生まれ。絵本ワークショップ「あとさき塾(プロをめざす絵本作家のワークショップ)」出身の、期待の新鋭絵本作家です。幼いころの絵本が好きな気持ちを大切にしているかとうさんらしい、やさしい言葉や絵には、自然や日常への愛がいっぱい詰め込まれています。

ココがいいね!

「じっちょりん」ってなんでしょう?虫でしょうか?それとも小人なのでしょうか?
描かれている見たこともない生き物に、そんな疑問を持ちつつ本書を読んでみると、あっというまにじっちょりんの不思議な魅力のとりこになってしまうでしょう。 あちこちに種を植えていくじっちょりん一家の生活は、まるで冒険物語のようです。遊び心がたくさんちりばめられた本書は、大人も子どもも春が来るのが楽しみになると話題になっています。

この本の読みどころ

見つけるのも大変なほど、小さな生き物のじっちょりんは、花びらや葉っぱを食べた後、種だけは食べないでとっておきます。そして残した種は、コンクリートの隙間や電信柱の根元などにせっせと植えに行くのです。
本書を読むと、「もしかしたら、道のあんなところに咲いている可憐な草花は、じっちょりんのおかげかしら・・・」と、考えてしまいそうになります。作品中に描かれている草花は、普段見慣れているのに名前も知らない草ばかりですが、ひとつずつ丁寧に名前が書かれています。そんな作者の心遣いが、小さな草花を愛する気持ちを芽生えさせてくれるでしょう。
小さいじっちょりんの目線で描かれた世界は、何度も覗いてみたくなってしまいます。やさしい日差しと春風が心地よい、この季節にぴったりの一冊です。