童話っていいね!~おすすめ童話のご紹介~

トイレにいっていいですか

トイレにいっていいですか

寺村輝夫:著
和歌山静子:絵
あかね書房:ISBN:978-4-251-09830-6
2002年8月発行 1,200円+税

作者の寺村輝夫さんは1928年東京生まれの児童文学作家。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て創作活動に。その後、現在の文京学院大学教授も務めました。自宅を開放して「王さま文庫」を開設したり、童話雑誌「のん」を主宰していました。また、アフリカの人と大地をこよなく愛し毎年のように通いました。
挿絵の和歌山静子さんは1940年京都府生まれの挿絵画家、絵本作家。武蔵野美術大学デザイン科卒業後、寺村さんと出会い「王さまシリーズ」「オムくん トムくんシリーズ」など数多くの挿絵を担当しました。現在は創作活動の他に、アジア各国で出版されている最新の絵本を貸し出しする「アジア絵本ライブラリー」を開設し、アジアの絵本を広める活動を行っています。
二人の作品は「おおきなちいさいぞう」で第13回 講談社出版文化賞絵本賞、「あいうえおうさま」で第3回 絵本にっぽん賞などを受賞しています。

ココがいいね!

小学校でトイレをがまんしてしまう子どもが増えているそうです。暗くて怖かったり、上級生がいたり、友達の目が気になったり・・・
この作品は、学校でのトイレの問題について書かれています。トイレに行くことは怖くないという安心感を与えてくれると、母親の間で評判になりました。青少年読書感想文コンクール課題図書にも選出されるなど、自己管理の大切さをさりげなく教えてくれる一冊として学校の授業でも取り上げられています。
入学シーズンになると、新生活に不安を覚える子どもがたくさんいます。そんなことから、初版から30年近く経った今も春になると話題になります。今回紹介しているものは、寺村さんと長い間一緒に活動していた和歌山さんが書き下ろした改訂版となっています。

この本の読みどころ

1年生のオムくんは学校のトイレがきらいです。上級生やいじわるな人もくるので、休み時間に行けません。とうとうがまんできなくなって、国語の時間に「トイレにいっていいですか」といいました。静まり返って、ちょっと恐い廊下を歩いてトイレに向かいますが・・・。
最後に動物たちが「トイレにいくのはたのしいな がまんをするな こわがるな だれかといっしょにいけばいい」と歌います。お話の中では動物たちですが、はげましてくれる優しい友だちが現れたら、どんなに心強いでしょう。そんな素敵なメッセージも込められています。
この4月から小学校に通う新一年生におすすめです。