童話っていいね!~おすすめ童話のご紹介~

ちいさなあなたへ

ちいさなあなたへ

アリスン・マギー:作
ピーター・レイノルズ:絵/なかがわちひろ:訳
主婦の友社:ISBN:978-4072559932
2008年3月発行 1,000円+税

作者のアリスン・マギーはミネソタ州在住の児童書作家。1999年、最初の小説『Rainlight』がミネソタ・ブック・アワードを受賞し、第2作目の『Shadow Baby』がピューリッツアー賞にノミネートされるなど、高い評価を得ています。また、メトロポリタン州立大学で創作プログラムのコーディネータとしても活躍しています。
挿絵のピーター・レイノルズはマサチューセッツ州在住の絵本作家、イラストレーター。日本でも、2004年に谷川俊太郎さんの翻訳で「てん」が発売されるなど、多数の絵本を発表しています。
翻訳のなかがわちひろさんは東京芸術大学美術学部を卒業後、海外絵本の翻訳家として活躍する一方、創作絵本や童話を発表し、『天使のかいかた』が第9回日本絵本賞読者賞を受賞しています。

ココがいいね!

「アメリカ中の母親を号泣させた」と話題のこの本は、母親やこれから母になろうとしている女性、子どもたち、読む人それぞれに想いがこもる内容です。2007年にアメリカで発売されるとすぐに、ニューヨークタイムズやアマゾンの児童書分野でハリー・ポッターを押しのけて1位の座を獲得しました。 
日本でも発売と同時に売り切れになる程の人気となり、現在も多くの書店が「上半期ベストセラー」に選出するなど、まだまだファンを増やし続けています。 

この本の読みどころ

「あのひ、わたしは あなたの ちいさな ゆびを かぞえ、 その いっぽん いっぽんに キスを した」母が子どもへの愛を伝える言葉からはじまります。親でいることの喜び、不安、苦しみ、つらさ、寂しさ、子どもへの思いが全ページに語られ、優しい絵と共に心に伝わってきます。涙を誘うことを目的としている訳ではないのに、忘れていることや伝えられずにいる真実が胸を突いてきます。
この絵本は、ちいさな子どもには理解できないことも多いかもしれませんが、さまざまな問題の多い現代には、こうした母の気持ちを素直にシンプルな言葉で伝えることが大事なことだと感じさせられます。母の愛情はいつかは子どもたちに伝わるはずです。
寒くなり、家で過ごす時間が増えるこの季節に、家族で一緒にいられる喜びと共に読んでほしい一冊です。