「米殿さま。恐れながら申し上げます。」
 その日、炊飯器城を訪ねてきたのは、 昔からの米殿の家来であるしらすだった。
「なんだ。言うてみい。」
「はっ。我が白子左衛門、 この度パン王さまのもとにシラス騎士と してお仕えすることと致しました。」
 米殿は飲んでいた米焼酎をぶっと噴き出した。
「な、な、何を言い出すんだ。わしとお前の仲は天下一だ。ずっと一緒にやってきたではないか。」 「でも、聞いてしまったのです。」
 しらすはためらったが、キッと顔を上げて言った。
「人間どもの間では、 シラストーストが流行って いるのでございます。」
「なんだと! お前はシラス トーストになるというのか!」
「はい。」
「ゆ、許さんぞ!」
「それと、殿。なぜ米なのに米焼酎を お飲みになって……。」
「うるさい! 出てゆけ!」
 しらすは慌てて走り去った。
「もう怒ったぞ。パン王め。兵を出せ。刀を取れ。
グルメ大戦争だ!」
 というわけでこのグルメ国で始まったのが、米の陣対パン・ソルジャーのグルメ大戦争だった。昔から米一族とパンの王宮は対立していたのだが、遂に戦いとなってしまった。米族の優秀な家来たちには美味しい和の具が多いのだが、のり、鮭など、パンの具になりたいと思う者もいた。その具たちがしらすをきっかけにどんどん寝返ったものだから、戦いはパンが優勢になっていった。
「相手の兵が動かぬ。何かあるぞ。」

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