おじいさんとおばあさんのはたけでは、たくさんのにんじんがしゅうかくのときをむかえました。その中でも先がふたつにわれた大きなにんじんがありました。
「これはまごの太朗にくわせてやっぺ。」(食べさせてあげようね)
 そう言っておじいさんは、ざるの一番上においてわかるようにしました。
 それを見つけたやおやさんは、
「これはおもしろい形だ。これは売れるだろう。」
 と言って、やおやさんは店の一番目立つところにならべてしまいました。

 それを見つけた赤いエプロンのお母さん。
「今日のカレーにこのにんじんを入れようかしら。」
 と言ってかいものかごに入れました。
 そしておうちに帰って、家でその先がふたつにわれた大きなにんじんをいちょう切りにしようとまないたにおいたら、その先がふたつにわれた大きなにんじんは、むくっとおきあがりとつぜん二本足でにげだしたのです。
「キャー‼ カレーのにんじんが‼」
 と言っておいかけます。
「まてまてー。」
 それを見ていたおとなりのおばあちゃん。
「ぬかどこに入れてぬかづけにしよう。」
 と言っておいかけます。
「まてまてー。」
 それを見ていたアパートのお姉さん。
「千切りにしてキャロットラぺにしたらおいしそう。」
 と言っておいかけます。
「まてまてー。」

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