ぼくは、小学三年生のしんじ。今日は大雨だ。いつもするサッカーも、できない。
「つまらないなあ~。」
 きっと今日は、つまらない一日になるだろう。ぼくはそう思った。
 その日の下校途中、ぼくは妙な音を耳にした。
「クウー。」
 辺りを見回しても、音の出そうなものは無い。
「そら耳か。」
 そう思って、ぼくは再び歩き出した。
「クウー。」
 また、あの音がした。
「なんだよ。」
 ぼくは、後ろを見た。すると、そこには小さいしば犬がいた。生後三か月位だろうか。そのしば犬は、目をキラキラさせながら、ぼくのことを見ている。
「きみ、ひとりなの?」
 ぼくが聞くと、そのしば犬は、
「ワン!」
 と、それに答えるようにほえた。ぼくは、そのしば犬を、傘の中に入れてあげた。

Copyright© JXTG Holdings,Inc. All Rights Reserved.