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『おにたのぼうし』

『おにたのぼうし』 表紙
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作者のあまんきみこさんは、1931年、満州生まれ。大阪府立桜塚高等学校を経て、日本女子大学児童学科教育部(通信)を卒業。新日本童話教室の第一期生です。『車のいろは空のいろ』(ポプラ社)で、第一回日本児童文学者協会新人賞、第6回野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞。主な作品に『ちいちゃんのかげおくり』(あかね書房)、『きつねのかみさま』(ポプラ社)などがあります。

絵のいわさきちひろさんは、1918年、福井県生まれ。日本の代表的な絵本画家として多くの優れた作品を描いていましたが、1974年に死去。その業績を記念して建設された、ちひろ美術館が東京都練馬区と長野県北安曇郡松川村(安曇野ちひろ美術館)にあります。『あいうえおのほん』(童心社)で、産経児童出版文化賞、『ことりのくるひ』(至光社)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞などを受賞しています。その他の作品に『あかちゃんのうた』(童心社)、『戦火のなかの子どもたち』(岩崎書店)などがあります。

『おにたのぼうし』

あまんきみこ:作
いわさきちひろ:絵
出版社:ポプラ社 ISBN:978-4-591-00529-3
1969年7月発行 1,000円+税

ココがいいね!

もうすぐ節分ですね。「鬼は外!」と怖がられることの多い鬼ですが、今回は、心の優しい鬼のお話をご紹介します。

鬼のこども“おにた”は、“まことくん”の家のものおき小屋の天井に住んでいました。“おにた”は“まことくん”がなくしたビー玉をこっそりひろってきてくれたり、お父さんの靴をこっそり磨いてあげたりと、とても気のいい鬼でした。ですが、節分の日、豆まきの音を聞き、ものおき小屋から出て行くことにしました。雪が降る中、“おにた”が行き着いた場所は、病気のお母さんを看病している女の子の家でした。女の子と出会った“おにた”が、女の子にしてあげたこととは…。

お母さんを思いやる女の子、そして女の子を思いやる“おにた”の優しい気持ちには、とても切なくなることでしょう。お話が進む中で、“おにた”と女の子の気持ちが通じたときの一瞬の笑顔や、いわさきちひろさんの優しい絵は、気持ちを癒してくれます。

お子さんにとって怖いイメージの鬼ですが、“おにた”のような思いやりのある優しい鬼もいることを知ったら、見かけだけではわからない、と気付くきっかけになるかもしれませんね。

みんなも“おにた”のように優しい気持ちをもって、たくさんの出会いを重ねられたら「いいね!」