童話っていいね!

『なつのおうさま』

『なつのおうさま』 表紙
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作者の薫くみこさんは、1958年、東京都生まれ。女子美術大学デザイン科卒業。『十二歳の合い言葉』(ポプラ社)で日本児童文芸家協会新人賞を、『風と夏と11歳』(ポプラ社)で産経児童出版文化賞を受賞。他の作品に『ちかちゃんのはじめてだらけ』(講談社)、『キイッちゃんののばらひめ』(理論社)など多数あります。

絵のささめや ゆきさんは、1943年、東京都生まれ。出版社に勤務したのち、ヨーロッパ、ニューヨークでの遊学を経て、フランス・シェルブール美術学校で絵を学びました。ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞を、『ガドルフの百合』(月刊MOE掲載・のちに偕成社から出版)で小学館絵画賞を、『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞を、『あしたうちにねこがくるの』(講談社)で日本絵本賞を受賞。他の作品に『マルスさんとマダムマルス』(原生林)、『幻燈サーカス』(BL出版)など多数あります。

『なつのおうさま』

薫くみこ:作
ささめや ゆき:絵
出版社:ポプラ社 ISBN:978-4-591-09809-7
2007年6月発行 1,200円+税

ココがいいね!

8月も後半になり、この夏の様々な楽しい思い出を、振り返っている方もいらっしゃるかもしれませんね。今回は、そんな夏の終わりにふさわしいお話をご紹介します。

“ツトムくん”の家に、おかあさんのお友達とその娘の“ひなこちゃん”が遊びにきました。2人は同い年ですが、なかなかうまく遊べません。一緒に過ごすのは2日間だけなので、仲良くしなくてもいいや、と思っていたツトムくんだったのですが…。さて、2人はどんな夏のひと時を過ごしたのでしょうか。

同い年だから遊べるでしょ! というお母さんに言い返す“ツトムくん”の一言は、鋭い! と、クスッと笑えます。お互い気になりつつも、照れや恥ずかしさもあり、なかなか打ち解けない2人の様子は、もどかしくもあり微笑ましいです。きっと、「こんなこと、あったなあ。」と共感する方も多いのではないでしょうか。そして、2人の距離を一気に縮めてくれた自然からの素晴らしい贈り物に、きっと心躍ることでしょう。

読み終える頃には、いろいろな出会いや体験を通して、大切な思い出とともに、子どもは成長していくのだなと心にしみるお話です。2日間の終わりは、ちょっぴり切ないけれど、“ツトムくん”と“ひなこちゃん”のように、みんなも、たくさんの素敵な思い出ができると「いいね!」